2011年7月6日水曜日

9月9日(木):フレズノという街

・今日は初めてフレズノでガソリンを入れた。はじめは操作方法が分からなくて、多少まごついたが、実に簡単なことが分かった。GSのオフィスで前もって、何ガロンか自分で決めた分だけの料金を払って、その分だけ機械をセットしてもらい自分で給油する。その場合、自分が何番のスタンドで給油するのか、どんなグレードのガソリンを入れるのかさえ伝えれば良い。多くのガソリン・スタンドでは、日本のコンビニのような役を果たしている。このような店では、キャッシャーが店の中にあるが、都市部の一部のスタンドでは、キャッシャーの中にいる人とは金網越しにしか話ができない所も結構ある。その場合は、窓口の下のところに空いた小さな穴を通して金を払うのである。


・私の借りたレンタカーは1800CC クラスの韓国製(現代自動車)の小型車であったが、ガソリンは満タンで13-14ガロン位入り、そのガソリン代は$40位である。ガソリン代は1ガロン当たり、$3.0―$3.5位である。しかし、ガロンという単位は馴染みがないので、はじめに満タンでガソリンを補給して、300km位走るとガソリン・タンクが1/2に減少して、結果として$20使ったことになると覚えた。(借りた車は燃費が良くない) 1ガロンは3.6リッターだから、日本と比べると、ガソリン代は半分位の安さだが、こちらでは何処に行くにも相当の距離を走るので、結局、コストは思った程安いという感じではならない。(円高と最近の日本のガソリンの高騰を考えるとやっぱり安いかな。)


・ちなみに、この車はキビキビと本当に良く走る。車が軽くて、特に加速が良いと感じた。少しサスペンションが弱いような感じもするが、最近の韓国車も中々レベルが高いと思った。車を所有するという、喜びのようなものはあまり感じないが、価格が比較的安いので移動手段としては十分である。アメリカは広く、たった一人で ど田舎の方へも行く予定であるが、この分ならば車に関してはOKである。多少、タイヤがプアな感じもするので、スピードは押さえていこうと思う。


・アメリカではガソリンを入れる時に、満タンにする人がいないと聞いていたが、これは考えてみれば当然である。要するに日本の様に先にガソリンを入れる方式では、客がそのまま料金を払わないで逃げてしまう可能性があるから、先に金を払うのである。満タンにしたい場合は、はじめに料金を多めに支払ってから、ノズルから出るガソリンが自動的に止まった時点で、再び、オフィスに行って余分な料金を返却してもらう手続きをする事になるので、実に面倒くさいのだ。


・また、日本の国際クレジットカードは、GSのオフィスではもちろん使えるのだが、ガソリン・スタンドの機械では読み取ってくれない所が多い。都市部以外ではGSが無人の所もあり、そんな時や夜などにガソリンがなくなると、カードが使えない場合は本当に困ってしまう。もちろん現金が使える無人機械など全くない。アメリカは考える以上に広大な国なので、ガソリンが無くなると全く動けないのだ。実は後でこのような経験をすることになるのだが。

・また、セルフサービスでガソリンを補給する場合、機械が旧式だったり操作方法が微妙に違ったりすることがありして、多少、まごついたことがあった。それは給油ヘッドを持ち上げてから機械についているストッパーを下ろす必要がある場合があるからだ。もちろん、そんな使い方は何処にも書いてないから、とにかく最初は周りにいる人に聞くだけだ。




・アメリカは広大な処だと知ってはいたが、実際にヨセミテへ行く途中でウンザリする程大きなブドウ畑を見た時、そしてそれが延々と続くので、ほとほと感心してしまう。広大な大地が唯の荒地ならともかく、とてつもなく大きな畑であるのだが、とても人手を掛けて管理できるようには思えない。そこにつぎ込むエネルギーと金と物量を考えると、地球は大丈夫かと全く恐ろしい気がする。広大な砂漠の中にある広大な畑に、水を撒いていることをたまに見掛けることがある。一体、どんだけの水の量が砂漠に消えていくのかを考えただけで、地球のことが心配になってしまう。ガイド・ブックによると、この水は遠く離れた水源地から、延々と運んできたものだ。


・広大な大地をはうように車を走らせていると、南カリフォルニアは本当に砂漠であることが分かる。なだらかな丘や山がどこまでも続いているが、丘や山全体が鬱蒼とした木々に覆われているなどという光景は全くない。ほとんどは赤茶けて乾燥しきった土ばかりである。所々に森があると言っても、木と木との間はかなりの距離がある。そしてまた何も無い空間があり、そしてまたまばらな木々が続く。本当にどこまでも続きている。


・フレズノを出てからXXX時間位経った所で、ヨセミテに近いが大きなスーパーストアや銀行が並ぶ街があった。そこでリンゴとサンドイッチとボトルに入った水を購入した。また、銀行でシティ・バンクのカードを使って金を下ろした。カリフォルニアではシティ・バンクが何処にでもあるので、とても便利である。ただし、一度の多くを下ろすと危険だと聞いていたので、$100200を下ろすだけであるが、一回ごとに手数料が3%係るのは手数料が高すぎるように思う。


・フレズノを出てから、午後遅くなってヨセミテに到着した。ヨセミテは想像通りに雄大な景色が見られたが、想像に反して登山家の拠点ではなく一大観光地であった。それもお年寄りが多い。不思議なことに、何処へ行っても韓国人はたくさんいるのに、今まで日本人観光客には全く会っていない事に気がついた。ここは日本で言うと上高地の様な所だと思う。平日なのに大勢の観光客で賑わっており、また、ハイシーズンということで、キャンプ場では家族連れがテントを張っている所を多く見かけた。しかし、山登りをする格好をした人は何処にも見当たらない。アメリカにはJ.ミューア等、ヨセミテを代表する有名な登山家が沢山いる筈であるが、登山人口は多いとは言えない気がする。上高地には観光客も多いが、登山で来ている人も数多く見かける。特に最近では、日本の方が登山人口ははるかに多い様な気がする。大体、東海岸やハワイで良く見かけるような運動をしている人すら見かけない。明日、登山道を歩く予定なので、実態が直ぐ分ると思う。





・公園に行く途中の道路は日本と同様に、曲がりくねった山岳道路になっているが、どうも様子がおかしい。片道一車線で日本と殆ど変わらない道路幅の、カーブのキツイ山岳道路である。それにも関わらず、知らない内にスピードが90km/h 位出ている。メーターがマイルなのだが、キロメーターと間違えたのではないかと思った位である。そんな筈はないと道路を良く見たら、カーブの処がバンクになっている。要するに左カーブの処では左側の道路が斜めに下がっているので、ジェットコースターに乗っているような感じで、自然にバンクに沿って曲がっていく感じである。スピードを出しても、加速度が道路に向かうので体や車体があまり左右に振れない。道路の作り方や設計方針が合理的と云えば合理的だが、事故が起きた時には死ぬ確率も高い筈である。事故は自己責任なのだろうと思う。直線道路では道幅が馬鹿広い(車線が沢山ある)ので、やはり同様に速度メーターが実際は mil/h なのに まるで km/h で走っている様な感覚になる。




・ヨセミテ公園の入口のゲートで入場料を払う。7日間有効で20ドルであった。


・今日、一番、驚いたことは鹿を轢きそうになった事である。道路わきにいることが分かっていたが、急に道路に飛び出してきたのであわてて急ブレーキをかけて、今回の旅行では初めてタイヤのキシム音を出してしまった。公園内では皆、速度を落として走っており、万が一にでも鹿を轢いてしまったら、自然愛好家からの激しい非難を受けると思う。


・アメリカでは自然破壊でも何でも止めることなく、経済発展を含めてやりたいという欲求は何でも第一優先で満たしているように思う。しかし、一方では行き過ぎを抑え様と云う意識やルールもしっかりしているが、やりたい事をやる場合はそのロジックや屁理屈がキチンとある。自己満足に様にも見えるが、最低限、守るべきルールもある。よそ者が、アメリカ人のその論理をはみ出して、彼らの決めた許容ルールを違反すれば、激しい摩擦(または罰金)が起きる事は容易に予想される。ヘタをしたら銃で打たれても、文句を言えないと言う正しい論理がちゃんとあるのだと思う。兎に角、彼らの考え方を知ることが大切と思う。



・10月の半ば過ぎには雪が降って、道路が閉鎖されてしまうらしい。しかし、今は9月であるが、日本と違って全く雨が降らないので、天気が良くて日差しが強い。従って、昼間は夏と同じ様に暑い。爽やかであるが全く寒さを感じない。日本の山の気候とは全く違う。ただし、夜は大分、冷え込むらしいが、室内にいる限り暖房がよく効いているので、想像していた寒さはあまり感じない。


・山の中で野宿することは、クマが沢山いるらしいので厳禁である。(食料を狙われるので) キャンプ場では、食料を入れておく金属の大きな箱が並んでいるが、時折、壊されている箱を見掛けることがある。


・ビジターインフォメーションセンターで聞いたら、9月一杯はヨセミテのハイシーズンなので、公園内のホテルやロッジは早くから予約で満杯だという。それも一泊、$400位の超高級な所が二か所、比較的安い($100-$150)シャワー付きの簡易ロッジも、連日sold outとのこと。キャンプ場もテントで溢れていた。要するにヨセミテには泊まる処がないというのは、想定外だった。


・仕方なくヨセミテに比較的近い(30分位山道を下っても戻る)エルポータルと云う処に有る高級リゾートの街まで引換して、そこのリゾートホテルに泊まることにした。一泊の料金は160ドルだった。泊まる部屋の側にある駐車スペースに車を止めて、荷物を引いて外からドアを開けて入る作りはモーテルと同様である。更に室内の設備もモーテルと似たりよったりだが、さすがに建物の周囲が広々としており、綺麗な作りになっている。売店も充実している。また、スパやプールがあちこちに幾つも作ってある。室内等の内装や窓からの眺めが良い。ただし、一人で泊まっていてもあまり価値が実感できない。毎日、ホテル住まいをしていたら予算を大幅に超えてしまいそうなので、どこかで帳尻を合わせないといけないと思う。


・このリゾートホテルで久しぶりに日本人を見かけた。年をとった夫婦だったので、特に懐かしさも感じもせず、話しかけることもなかった。ただし、アメリカで耳にする日本語は、やはりどこか独特な響きがある。一週間ぶりだった。




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