2011年7月6日水曜日

9月13日(月)サンフランシスコのロンバード通り

・朝、少し寝坊してゆっくりと朝食をとってから、10時頃になってモーテルを出た。少し走ると、直ぐに高架の高速道が三方に見えるところに来たが、どちらに行けば良いか訳がわからない。頭の中に大体の地図が描けているので、とにかく高速道に乗ってしまえば後は何とかなると考えて、SF方面の標識を目指す。そうやって、一度はのったのだが、目の前にサクラメント方面という標識が見えたので、どうやら方向が逆なことが分かった。直ぐに次のICで降りて、反対側に回って乗り直す。アメリカの高速道はフリーなので、何度でも気軽にやり直しが効く。直ぐ目の前にサンフランシスコ・オークランド・ベイ・ブリッジが広がる。ただし、8車線位ある道路が全て車で埋まっておりしかも渋滞している。この時間では下り方向は流れているが、SF市内に向かう道は大渋滞であった。

・しばらくの間のろのろと走っていると、大きな吊り橋の手前のところに料金所のゲートが見えてきた。この辺りで急にトイレに行きたくなってしまったが、どうにもならない。$3の通行料を支払って、のろのろと橋を渡った。直ぐに出口が有ったので、降りて市内を少し走りながら、パーキング・メーターのあるスペースを探す。たまたま、ヒルトン・ホテルの近くに、空いているパーキング・メーターがあったので車を停める。


・見ると$1.5/30min onlyと書いてある。時間が中途半端だがとても安いと思ったのだが、生憎とクォーター・コインが無い。自分のクレジットカードは読み取ってくれない。トイレに行きたくてしょうがなかったので、そのままコインも入れずに、すぐ側にあった大きなホテルに飛び込む。係の人に聞いたら、その人がトイレまで案内してくれて入口の鍵を開けてくれた。ここでは外部の人は勝手にトイレを使うことは出来なかったのだ。


・そんなこんなで、身も心もすっきりした所で慌てて車に戻った。すると、車に何やら封筒が挟んである。中を見ると駐車違反の切符だった。罰金が$50とある。しかも、中を読むと、あなたは文句をつけることが出来ないと書いてあった。10分間止めただけなのに、$50は高いと思ったが、ここでブラックリストに載ってしまうと学生ビザが取り消されてしまうので即刻支払いをしなくてはならない。駐車違反だけは日本の感覚でやらないことと、肝に命じた。


・はじめにモーテルを確保しようと、ジャズ・クラブが沢山あると言われている、ロンバード通りに行く。この道路はSFの街を東西に走っているメイン有名な道路らしいが、市内の中心を少し離れると沢山のモーテルが並んでいる。有名なゴールデン・ブリッジに近い公園とロシアン・ヒルを結んでいる通りである。公園の近い方にアメリカ???、エコノロッジ、スーパー8等があったので、それぞれ空きがあるかどうか、部屋の内容は、価格は等を調べて回った。結局、部屋が大きくてきれいだったこともあり、スーパーに決めた。料金は2泊で$180(税込)だった。ただし、まだ、時間が午前中だったので、部屋の掃除をしていないという。午後の1時には入れるようにすると言ってくれた。


・モーテルの受付にいる人は、今までの経験ではメキシコ系かインド系が多い。モーテルの仕事は、ホテルと違ってあまりレベルが高いとは言えないと感じた。そう言えば、今まで白人だったのは、LAのスーパー8とエルポータルのクリスティーナだけだった。しかし、サンフランシスコで泊まったモーテルは、何となくホテルの従業員を感じさせる服装のキチンとした白人だった。モーテルの宿泊料に比例して、彼らの服装が異なっていることがよく分かる。料金が安い所は、働く人が黒人系で身なりも何となくみすぼらしいのである。


・受付が白人系で服装がきれいだと、何となく親しみを覚えていろいろと些細なことでも聞いてみたくなる。また、暇なときは雑談をしに行きたくなるのが自分でも不思議である。相手もそのように対応してくれるのである。


・時間が少し早かったが、昼食はモーテルの隣にあった韓国レストランで、久しぶりに野菜のたっぷりはいった料理を食べることができた。味は少し辛さが強かったが、とても口にあったしビールも美味かった。


・近くにシティ銀行が有ったので、クォーター・コインに両替をしてもらった。$10でコインが40枚、さすがにズボンのポケットに入れておくには少し重量があった。


・午後、しばらく辺りをぶらついて、街を観察してからから部屋に入いる。荷物を整理してからベッドで寝転び、どうやって違反金を払ったら良いかを調べた。切符に警察のHPURLが有ったので、アクセスすると名前とメールアドレスとクレジットカードのNo.を入れるだけで有ることが分かった。支払いのキーを押すと直ぐに、サンフランシスコ警察から、自動返信メールが来た。内容は支払ってくれて有難うというものだった。


SFにはパーキング・メーターが沢山あるが、同時に取締り専用のミニカーが走っているのをよく見かける。運転しているのは、白い制服を着たおばさんであったが、よく見ると警察官ではなさそうだった。見たところでは権限を委託された民間業者のようだったが、金さえ払えばOKで全て終了。日本のように罰点のポイントが加算されるということもなく、合理的といえば合理的と思う。


・酔を覚ますために少し昼寝をしてから、車でSFの中心部分の地理を確認するために出かけることにした。フィッシャーマンズ・ワーフやロシアン・ヒルから、ユニオン・スクウェア辺りを走ることで、地理的な様子はほぼ理解できた。FW等は有名な観光地であるが、平日のためか観光客が少なく、何となく物悲しい感じがする。観光地巡りが目的ではないので、かねてから行きたいと思っていた、宇宙博物館か美術館に行こうとおもった。


SFの街は、一部ユニオン・スクウェアの近くを除くと、道路が綺麗な碁盤の目のようになっているのでとても分り易い。それにメイン通りのほかは、殆どが一方通行になっているので、曲がり方さえ間違わなければとても走り易い。




・ユニオン・スクウェアの周辺まで来ると、周りの環境が一変する。歩いている人や走っている車の数が格段に多いのである。LA等の今までのアメリカの道路と比べると、信じられないほど沢山の車と隣り合わせで走らなければならないが、それでも東京の道路から比べたら全く運転に不安を感じることはなかった。


・ユニオン・スクウェアの近くにあった大きなPublic Parkingに駐車させる。料金は、$3.5/hで、少しでも時間を超えると$3.5が加算されると書いた看板が掛かっていた。


・ユニオン・スクウェアは、観光客も多く含まれると思うが人が群れている。ロンバート通りには綺麗な洒落た店も多かったが、何か人を寄せ付けない雰囲気があった。人の数が少ないことと、ほとんどの店が閉まっていることもあって、とても閑散としていて少し寂しい。気軽に一休みするようなカフェもあるが、数は少なく中が薄暗い。しかし、ここユニオン・スクウェアの辺りはとても活気に満ちており、東京は銀座か六本木の周辺を歩いている様な安心感がある。街の様子がとても明るくて綺麗で、観光客が気軽に入れるような所が沢山ある。何となく若者の街のような気がしたし、自分にはこちらの方が落ち着くことができる。


9月なので爽やかと言っても、やはり午後の日差しが強く暑さを感じる。しかし、昼間からコートを着ている人がいる。夜はかなり寒いのだが、昼間半袖だった人は、夜も半袖で過ごしている人が多いようである。何故なら、夜なのにジャケットなしに半袖で歩いている人が、昼間と同じくらいいるので驚いてしまう。


・午後の遅い時間に、「サンフランシスコ近代美術館」に入った。大人は$18とあったのでチケットを買おうとしたら、シニアは$12と書いてあったので変えてもらう。パスポートも何も要求されなかった。ピカソやマチスの絵は好きなので、それなりに良かったが、一番印象に残ったのは、テラスのカフェであった。外のベンチが陽光を浴びて清々しかった。ここで持ってきたリンゴをかじりながら、ガイド・ブックを読む。六本木ヒルズにある巨大な蜘蛛のオブジェと同じ形のものが中央に置いてあった。


・夕方、モーテルに戻ってシャワーを浴びて着替えた。レジストレーションで市内マップとバスマップを貰う。ここで貰ったバスマップは、とても見やすくて使いよかった。バスは色々な系統が縦横に走っており、一回乗り換えれば殆ど何処へでも行けることが分かった。料金は系統によって違うようだが、大体は一回あたり$1.5なのでとても安い。しかも、時間表はないが大体15分待つ覚悟があれば必ず乗れるし、夜も10時過ぎまで運行しているようだ。ただし、バス停のサインが無いところもあり、本当に泊まってくれるのか不安になる所もある。大抵は交差点を横切った先の角の所に、小さなサインが書いてある。バスを待っていると、たいてい何回かは観光客に乗り場を聞かれるので、親切に教えて上げる。




・夜はまずチャイナタウンへ行って中華料理を食べた。さすがにチャイナタウンは大きな街なので、良さそうなレストランが沢山ある。そんな中の一つに当たりをつけて中にはいった。中は驚くほど広い処だったが、しかも丁度、夕食時だったが、他に客が誰もいなかった。料理は美味かったが、量が多いので、たった一人で黙々と食べてビールを飲む。ウェートレスが暇なのか、あるいは気を利かしてくれたのか、側に来ていろいろと話し相手になってくれた。


・目指すはジャズ・クラブ「PEAR’S」であるが、それは直ぐに見つかった。しかし、インターネットの情報は宛にならず、近くにいた人に聞いたら既に店を閉めてしまったらしい。


・ただし、チャイナタウンは日本人が夜遅くに、一人で通りを歩くような街ではない。街はチャイナタウンに入った途端に、街全体がとても汚いし暗い。道がゴミ箱の様になっている。何故かジャズ・クラブというと、このような危険そうな場所に有ることが多いようだ。しかも、交差点で信号を待っている間に、通りすぎて行く車のドライバーが、自分に向かって何か叫んでいる。何を言っているのか聞き取れないのだが、おそらく危険だと教えてくれているような気がした。タクシーを拾って、次の候補である、YOSHI’Sへ行く


・サンフランシスコは夜遅くまで、タクシーが道路上で拾える所が良い。他の地域だと、電話番号を調べて、いちいち呼び出さなければならないので時間がかかりそうである。フィルモア・イーストにあるヨシズへ向かったタクシーの運転手は、自分がクロス・ストリートを告げただけで、「ヨシズへ行くのか?」と聞いてきた。ジャズがとっても好きだと言っていた。チップを入れて$10だった。


・ジャズ・クラブは通常では、チャージ料金と2ドリンク以上が約束になっているらしい。しかし、日本の暴力バーと同じで、法外な料金を請求される所も中にはあるらしい。しかし、ヨシズは本当に良心的な店らしくて客が沢山いた。オーナーはYoshiと呼ばれている女性で、バークレーの学生だった時から開いているという。そのせいか、酒のつまみは日本の居酒屋のようなメニューも多かった。「瀬戸内海の塩をかけたエダマメ」とか。レストランが中に別にあって、こちらの方では、とても料理に工夫を凝らしているらしい。その夜の演奏は、残念ながらメンバーの名前を忘れてしまった。


4日後には、渡辺貞夫が来ると書いてあったので、都合をつけてまた来ようと思った。何故ならば、日本人プレーヤーの名前を聞いて、不意に懐かしさが込み上げてきたからだ。まだ、わずか10日しか経っていないというのに、この間に気が付いてみれば全く日本語をしゃべっていなかった。少し前までは世界中の何処にでもいたと言う日本人は、ここサンフランシスコにはいるかもしれないが、今回の自分の旅行ではいなかった。誰でもいいから、無性に日本人に声をかけてみたい気持ちだった。


・帰りは12時も過ぎている時間だったが、ロンバート通りに向かって歩いていたら、後ろからタクシーが来たので直ぐに呼び止めた。やはり、$10だった。サンフランシスコはロスアンジェルスと違って、街が夜中まで明るい事とタクシーが拾えるので、アメリカでは他にない本当に良いところだと思う。タクシーは行き先の交差点(クロス・ポイント)を言えば直ぐに分かって貰える。

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