2011年7月6日水曜日

9月12日(日):オークディールからオークランドと云う街へ

・翌朝、10時頃にオークランドに向けて出発した。しかし、直ぐにセブンイレブンが有ったので、ATMから$100を引き出した。それにしてもシティ・バンクの使えるキャッシュ・ディスペンサーがあちこちに有って便利である。(そう云えばチャンと一回当たり¥210の手数料が掛かっていることを忘れていた。)

・田舎道とはいえ、例によって平均速度は90km/h以上である。このスピードで流れている。たまにこのスピードより遅い車がいる場合は、その後ろに長い行列ができている。速度制限は、遅い所で80km/h、速い所で96km/hである。「絶対に追い越しをするな」とのサインも良く出てくる。良くしたもので、片側一車線だけではなく、ところどころでかなり長い距離の間、片側二車線になっていて追い越し用の車線があるので、無理な追い越しをする車は見当たらない。


・アメリカ人は思いの外、ルールはキチンと守るようである。違反の路上駐車をしている車も殆ど見かけない。少し行けば、必要な所には、必ず安い料金の駐車場もある。それに、何回もルール違反をしていると、たまには捕まって高い罰金を払うことになるということを、アメリカに来る前にガイド・ブックで読んだことがある。


・しばらく走ると直ぐに片側2車線のフリーウェイに出た。(車線が少ない道をフリーウェイと言うようだ。片側5車線以上ある道路は高速道路というらしい。)フリーウェイは、どんな田舎に行っても、網の目の様に縦横に走っている。もちろん高架ではなく、要するにチョット良い普通の道なのであるが、車線が少ないだけで、道路の作りは高速道路と全く同じである。(ガソリン・スタンドで買った道路地図は、相当細かい地図だったが、フリーウェイまでは載っているが、所謂、もっと普通の田舎道は載っていない。)フリーウェイに出ると、とたんに平均速度が130km/hになってしまう。廻りを走っている車も同様である。多分、この環境における人間のスピードへの欲望と、それを制御しようとする感覚、及び車の性能がバランスした速度が丁度この位なのだと思う。(法的な制限速度は90km/h位である。)


・高速道やフリーウェイを快適に走っていると、必ず目につくのが道端に突っ込んでいくタイヤのスリップ跡である。それも、あちこちに有る。更に道の両側には、バーストしたタイヤの破片が、あちらこちらに転がっているのを目にする。明らかに日本で見かけるよりずっと多い。平均スピードが上がった結果だろうが、このスピードはアメリカの広さが要求すると思うので、どちらが安全なのかについて、日本とそのまま比較することはできないと思った。事実、自分自身の運転感覚の変化がそうである。こちらでは、高速で走る方が、普通であると感じる。


・マンテカまで来るとサンフランシスコやオークランドに繋がる高速道が現れた。その高速道で流れている速度は、一般のフリーウェイと変わらない。しかし、ずっとこのまま高速で走っていては、ただ走っているだけで何の変化もなく、すぐにオークランドについてしまう距離なので、また、田舎道をドライブすることも今回の目的の一つなので、トレーシーと言う小さな町で高速道を降りた。ここは素朴な田舎町というより、大きな工場が幾つか並ぶだけの面白みのない町である。


・田舎道は地図に載っていないし、カリフォルニアの田舎道はフリーウェイと違って道が真っ直ぐではなく、丘に沿ってアップダウンを繰り返しながら曲がりくねっている。案の定、直ぐに方角が分からなくなってしまった。そうこうしている内に、完全に道に迷ってしまった。右も左も同じような風景が、ただ、延々と続いている。単調な風景だが、これぞまさに頭に描いていたカリフォルニアだと思った。


・まず、人の住む家が見当たらないし、もちろん人も歩いていない。どこまでも続いている丘は、牧草地と言っても枯れた草ばかりで、どちらかというと砂漠のような感じがする。背の高い木々は殆ど無く、まばらに低木が所々固まって見える。時々、むき出しの電線と電信柱が立っているのが見える所が、唯一日本に似ている。街の中には電信柱は見当たらないが。


・太陽だけが頼りだが、自分が何処にいるかが全く分からない。ここから抜け出すのが、サバイバルゲームとしての面白さだと思ったが、見渡す限りの牧場地で広い荒野に人が全くいない。たまに家が有っても、道路からかなり引っ込んだ所に有って人影がまったく見えない。これで夜になってしまったら、目的地に向かって走るのではなく、ただあてもなく走るだけになってしまう。太陽と持参したコンパスと、たまに見掛ける地名が掛かれた地図だけが頼りだが、他には殆ど何の手掛かりも得られない。



・そんな時に道端にポツンと、ホーム・クッキングと書かれたカフェ・レストランがあった。車は何台か止まっていたが、とても人がいるという感じではなかった。しかし、誰かしらはいるだろうから、道を聞こうと思い車を止めた。中に入ってみて驚いた。丁度、昼時だったせいか中は客で一杯だった。皆、知り合いのようで、ワイワイガヤガヤ楽しそうにしゃべり食べている。ウェートレスの女性と近くのテーブルにいた客の一人が親切に教えてくれた。今まで、現在位置の予想と太陽とコンパスの方角情報から、当たりを付けて走って来たのだが、結局、分かった事は、そんなに大きな狂いはなかった。


・カフェで昼飯を食おうとも思ったが、再びそのまま出発した。しばらく走ると、とてもきれいな家ばかりが立ち並ぶ町に出た。一見して素朴では有るが今まで見て来た家並みより、数段綺麗な家ばかりである。全ての家の庭が良く手入れされているし、何処にもゴミが見当たらない。庭では小さな子どもが何人か遊んでいたので、住んでいる住民は若い人が多いのだろうと思う。多分、アメリカの中流クラスの人だけが集まって住んでいる町だろうと思う。アメリカでは、大きな都市の近くには、此の様なクラスが違う人達が集まって住んでいる所が有るようである。キット、もっと凄い金持ちはまた別の処に住んでいるのだろう。それにしてもここは別天地というか、都会に大勢住んでいる普通のアメリカ人より所得が多そうな感じである。そして、気がついたことは、今まであちこちで見かけた黒人やメキシコ系の人達が何処にも見当たらない。しかし、何と言っても刺激のない町である。


・しばらく走ると、街のメイン・ストリートなのか、銀行やレストランが何軒か並んでいる処に出た。その中で、入り口にカフェと書かれた一軒を選んで中に入った。カフェならば、一人旅にあったカジュアルな所だろうと思ったので。しかし、中は整然と白いクロスの掛けられたテーブルが並んでいた。客の多くが綺麗に着飾った服を着た家族連れの様だった。若い家族と上品な感じのお爺さんお婆さんが一緒の席についているのが目に付く。どうやら、話しあって、一緒に食事を食べているらしい。皆、スープ等のコース料理らしきものを、静かに行儀良く食べている。そう言えば、今日は日曜日で午後なので、家族で教会へ行った帰り何だと分かる。ここは珍しく、ウェートレスやウェイターも白人である。しかし、キチンと給仕して貰って食事をするのも良いが、自分には話し相手がいないことに気がつく。自分は汚れたズボンを履いて、Tシャツを着ている客は他にいなかった。何となくその場の雰囲気に合っていない感じがする。自分は軽くピザ($10)とジュース($5)を頼んだ。TIP($2)を含めて$17の昼食は、決して高くはなかったが(メニューを見ても高額の料理は無かったが、多分、ピザも皿ばかり豪華だが冷凍だろうと思った。)、もっとフリーな感じの処の方が良かった。ピザを半分食べて、テイクアウトにしてもらった。


・帰りに隣のレストランを覗いてみた。こちらはグリルカフェとかいてあり、テーブルクロスはなしで、客の服装もラフだった。多分、価格は大きく違わないと思うが、地元民はチャント店を使い分けているのだろう。


・今回の旅行では、アメリカの生活と文化を体験することも一つの目的だった。それも中の下、中の中、中の上を体験したいと思っている。それにしても、アメリカでは沢山のホームレスが目に付くし、もっと高級なところはいくらでも有りそうである。アメリカの光と影の部分を、早くも実際に見てしまった気がした。


・レストランで道を教えて貰い出発した。少し走ると今度は住宅地ではなく、アメリカで普通に見られる街並みの所に出た。要するに片側二車線の広い道路が縦横に走り、通りにはドライブインが並んでおり、ガソリン・スタンドがある。ガソリン・スタンドで$20分を給油した。ここのオフィスは閉鎖的で、金網越しに料金を払ってお釣りを貰う。フロントガラスをゴムベラで洗ってから出発した。


・程なく進むと高速道が見つかり、サンフランシスコやオークランドの標識が見えた。今度は迷わずオークランドへ直行した。



・オークランドではあちこち聞きながら、モーテルを探したが、結局、ダウンタウン近くの、チャイナタウン・ブロードウェイと言う通りにある安いモーテルに決めた。ここは税込で$49であり、下のクラスではあるがその中でも少しは上の所で、これ以上はレベルを落としたくないというぎりぎりの所だった。しかしながら、思った程、部屋は汚くはなく、設備内容も、昨日の処と大差ない。むしろ大きなテーブルがあるのが嬉しかった。


・他にも客が結構いたが、殆どが黒人かメキシコ系の様に見えた。やっぱり都会だからか、途中で会っても、互いに挨拶をするという感じではなかった。私の方にも、うまく説明できないが、何のかんの言っても自分に偏見や差別の心があることを実感した。また、彼らの方だって、自分に対して白人と同じような愛想の良さがあるとは決して言えない。カリフォルニアに住む白人のアメリカ人は、皆、とても愛想が良さのだから、これは大きな違いだと言える。何故なのだろう。気質の違いなのか、単なる過去の歴史の問題に原因があるのか、今のところ全く不明である。来月、学校に行ったら、黒人の友達を作ってそれとなく聞いてみようと思った。


・このモーテルに泊っている他の人達は、どう見ても旅行者ではなく、ここに長く住みついている様な感じだ。近くには中国人が多く、中華レストランも幾つかあった。今日の夕食は久しぶりに中華料理にしようと思った。


・まだ、大分明るかったので、街を2時間位掛けてあちこち散歩した。通りを散歩していると、一見してシュナウザーのような犬を連れている若い女性がいた。とても懐かしい感じがしたので、つい、声を掛けて犬と遊んでしまった。犬の名前は忘れてしまったが、犬のオーナーと話ができたのは良かった。


・街を歩いていて気が付くことは、まず、日本人が何処にもいないこと。オークランドばかりか、この一週間で日本人には殆ど出会っていないのである。一見して日本人に似ているかと思うと、大抵は韓国人か中国人ばかりである。この街にも、中国語と韓国語(ハングル語)の店の看板などが随分と目に付く。通りを歩いている人の話し声が、日本語と韓国語は違うのですぐに分かる。大体、韓国人はグループで見掛けることが多いせいか、日本人より声が大きくエネルギッシュな感じがする。そして、どこにでもいる。しかし、街の中に日本人や日本語の文字は、全く見掛けることはなかった。


・オークランドを宿泊地に選んだ理由の一つは、ジャズが盛んだということを何かの雑誌で読んだからである。今回の旅行の目的の一つが、ジャズハウス巡りだったので。チョット前までブルースが盛んだったらしいが、しかし、その面影は街の中では全く感じることが出来ない。散歩の時に探したが、この近くには無い様だった。帰ったらインターネットで検索してみようと思った。結局、INで探しても近くには無かった。飲んだ後に、タクシーを手配することは何となく面倒だし、夜道を遠く歩いて帰るのも、車で出かける気にもならなかったので、ジャズ・クラブ巡りは明日のサンフランシスコにかけることにした。サンフランシスコは湾の向こう側にあり、海沿いの公園からは直ぐ近くに見ることができる。

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