2011年7月7日木曜日

9月16日(木)カーメル・バレーを行く



・今日は朝からカーメル・バレーに行く。今日の目的の一つは更に奥に入り込んで、噂に聞いたTassaja Springという温泉宿を目指すのだ。何でも自然な露天風呂と素朴な木の湯船が幾つかあるらしい。男女が一緒になって、しかも全員が日本のように裸で入るらしい。本当にそんな所があるのだろうか。


・カーメル・バレーへの道のりは、正に私が頭に思い描いていたカリフォルニアがあった。低いがどこまでも続くなだらかな丘。山にはあまり高い木々が見当たらないが、所々、白っぽい葉のオリーブのような木が密集している。木の植えてない部分は枯れた草山であるが、所々は禿げている。森の横にはここにも枯れ草の草原があって、牛が寝転んでいたりする。


・麓を走っている道路の両側には大木が茂っていて木陰を作っており、カリフォルニアの強い日差しを遮っているので、窓を開け放って走るのがとても心地良い。これが所謂、ビスタというものか。しかも山道に入ると、なだらかなカーブの連続なので、久しぶりに運転が楽しい。この辺りまで来ても、まだ家々が多く建っている。どの家もキチンと手入れされているし、家の周りにゴミもなく、また見苦しい生活道具が立てかけられていることもない。看板も見当たらない。電柱はあったが。



・そうこうしている内に、気が付いてみると道幅が狭くなってきた。カリフォルニアのど田舎の奥地に来たという感じがしてきた。行き交う車は全くない。その内に更に舗装道路が切れてしまった。自分の後ろにはもうもうとした砂ホコリが立っており、全く後ろが見えない。しばらく行くと、丁度良い木陰が有ったので、車を止めてランチにした。


・地元の車らしい小型トラックがすれ違いに通って行った。ここは田舎らしく互いに挨拶を交わす。やっぱり田舎の人達は観光客とは違うよなと思っていたら、さっきの車が戻ってきた。どうやら、見慣れないのが居るということで、不審に思ったのだろうと予測する。しかし、自分の側に寄ってくるのではなく、50m位離れた所にトラックを止めたと思ったら、しばらくして降りてきて更に犬を下ろして一緒に遊び始めた。どうやら、本当に不審者を監視しているような感じがした。



・随分とダートコースを走ってきたので、本当に道が正しいのだろうかと少し不安になっていた所だったので、彼と犬の方に向かって歩いて行った。今日はあまり人と話をしていなかったので、随分といろいろな話をした。分かったことは、つい4日前にこの先の温泉宿はクローズされたということであった。しかも、ここから更に20mlも先に有るらしい。


・どうしたものかと考え込んでいると、前から工事用の小型トラックがやってきた。様子を聞くと、彼は行ったことがないらしかったが、今からでは夜になってしまうので止めた方が良いという。ここまで来たのだし、中に入れなくても良いからと行くことにした。


・更にダートを行く。自分の後ろは砂ホコリ。車が真っ白になってしまった。このまま町を走るのは余りにも恥ずかしい。カリフォルニアの土地が実は雨の降らない砂漠地帯だと云うことが実感できる。道幅は十分に有るのだが、凹凸が激しくて上下にバウンドするだけではなく、時々、車体やバンパーをこする音が聞こえる。カーブの所で少しハンドルをきつく切ると、簡単にドリフトする。道の片側は谷になっているので、夜暗くなってから脱輪したり、谷に落ちたりしたら誰も助けてくれないだろうと思った。携帯電話のアンテナも出ていないし。レンタカーはダート走行では、保険が効かないと言われていたことを思い出した。こんな調子で往復4時間も走ることを思うとうんざりとしてくる。一体、自分は何をしに来たのかと考えてしまう。


・結局、戻ることにした。R16に戻ると、また先程の心地良いワインディング・ロードだった。はじめはゆっくりと走ろうと心に近い50kmで行くが、すぐにスピードが90km位に上がってしまう。道がカーブの所でバンクになっているせいだ。前を行く車が2台も、道路脇に車を寄せて自分に先に行けと道を譲ってくれた。そんなに自分の走り方が、せかせかとしているのだろうか。しばらくしてから、反省して少し休憩することにした。巨大なオリーブの木が2本植えてある民家の門の日陰のところで、車を止めてトマトをかじった。


・途中で腹が減ってきたので、並行して走っている筈のR101の方角に向かった。時計は午後430分で中途半端だったが、高速道のICの近くには高速道の外ではあるが所によっては大きなサービス・エリアがある。ここも他と変わらず、色々な店が沢山並んでいる。タコベル、マック、スターバックス、等、アメリのどこにでもあるブランドばかり。何処にも入りたいと思わなかったが、トイレもあるしバーガー・キングに入った。


・多くの客がいた。皆、大きなカップでコーラを飲み、一生懸命に考えて決めた筈の、しかし似た様なものを頬張っている。どの人も、男も女もデカイ体をしている。アメリカって、食生活に関しては少しさみしい感じがする。自分もバーガーとコーヒーを買った。



・年寄り夫婦とそのどちらかの母親である更にお年寄りの3人組が入ってきた。アメリカでは珍しい光景だ。お婆ちゃんがクーポン券と2ドル紙幣を握っていた。夫婦は決して貧しそうには見えなかったが、3人で楽しそうにバーガーをカジッている。とても羨ましい。


・子供2人を連れた若い女性が入ってきた。見ると車の中にことらもお婆ちゃんが座って待っている。ここは地元の人達の楽しみの場でもあるらしい。


・考えた末、モンタレー・ジャズ・フェスティバルには行かないことにした。そのかわり明日、再びサンフランシスコに戻って、幾つかのジャズ・クラブを梯子しようと思う。さて、サリナスでの今夜のディナーは何にするべきか。


P.S.:大分、車の運転には慣れた筈だったが、サリナスの町の中で左折する時に、対向車から激しくホーンを鳴らされ、守るべきルールを教えられた。交差点で左折する場合は、曲がった時に一番中央寄りの車線に入らなければならないということだ。アメリカの街中の道路は、どこでも3車線位あるので、考えて見れば当然なのだが、外側の車線はトラフィック・フリーで右折してくる車が優先の車線だからだ。





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