2012年4月2日月曜日

アメリカ西海岸ドライブ旅行日記11/9

119日(火) いよいよカリフォルニアで有名な温泉をハシゴした

・朝、いつものように村の中を散歩してから、少し早目に宿を出発した。まず、ガソリンを
15ドル分入れてから、東の方角に山が連なっているのが見えるのだが、その山の方へドンドン進んでいく。他には殆ど他に走っている車が居ない。この地域はワインで有名な所と思っていたが、今、走っている所にはワイン畑など無く、山が近いせいか、殆どが荒れた荒野の様だった。もともと幹線道路とは言えない田舎道を走っているのであるが、途中からもっと田舎道である舗装されていない田舎道に入った。途中で車を止めて用足しをしたが、日差しを浴びながら誰にも気兼ねしないで用を足すということは、久しぶりでとても良い気分だった。
・デコボコ道を、ホコリを巻き上げながらゆっくりと進んでいくと、途中の道路に鉄柵の大きな扉をつけたゲートがポツンとあるのに出くわした。その横に看板が立ててあって、それには”Wilbur Hot Spring,
private”
と書いてあった。それでゲートを自分で開けて中に入った。


・しばらく進んでいくと、小奇麗な木造のホテルのような建物があったので、横の駐車場に車を止める。駐車場には他に1台が止まっているだけである。何とも静かで人の気配がしないホテルである。周位の景色は、完全に山に囲まれた自然だけの風景であり、恐らく周囲はこの建物の所有者の私有地であるに違いないと思った。自然のようでもあるが、何処か手入れが行き届いているようにも感じられた。当然、何もゴミの容易なものは落ちていない。それどころか、自然の風景に思われるのだが、よく見ると植樹されたような木々や、イングリッシュ・ガーデンに使われるような植物が植えられている。
・建物の中に入ると、都会で見掛ける様な豪華さとは正反対であるが、しっかりした木製の柱や梁、古いが本物に見える絨毯が敷いてあって、雰囲気は昔のアーリー・アメリカン調の高級な別荘地にあるような優雅なホテルを思わせる造りであった。レジストレーションには誰も居なかったが、ベルを鳴らすと感じのよい年配の婦人が現れた。

・今日は一泊しないが日帰りで温泉に入りたいというと、夜まで自由に使って良いという一日券の価格が何と税金を含めて53.5ドルだという。(50ドル+税金が3.5ドルだという) 確か日本で見たガイド・ブックでは15ドルと書いてあった筈だが、ここに来ることが目的の一つでわざわざ日本から来たのであるから金を支払う。この年配の助成がとても綺麗な英語を話すので聞き取りやすかった。また相手も相当暇らしく、それでいろいろな話をした。ここで分かったことは、受付の上に掛かっていた大きな古い時計が、自分の腕時計と一時間もずれていたので、それを指摘すると、何と先週の土曜日から冬時間に戻っているのだと教えてくれた。時計が1時間遅くなる(針を進める)のである。何もしないのに一気に1時間過ぎてしまった。

・風呂の場所や風呂の入り方等の注意事項をひと通り聞いてから、建物の中や庭を散歩して何枚か写真を撮った。そうそう、風呂にはいる時は水着等を一切着用しないこと、タオルもなかに入れないこと、中では話をしてはいけないこと、写真を持ち込んではいけないことなどをとても強調していた。少しワクワクするが、もしかしたら、今回は温泉を独り占めすることになるかも知れないという予感がした。周囲に誰もいないので。

・さて、中に入ってみると、脱衣場などはなく板製の壁に突き出ている木のフックに掛けるようになっている。靴はビニールの袋に入れてその辺に置いておく。回りを見渡すと幅が2m、長さが5m深さは60cm位のコンクリート製の湯船が3つ並んでいる。それぞれ湯の温度が違うという。そしてこれらの湯船の上には大きな屋根があって、両サイドが板壁で囲われていたが、一方の両サイドは全くのオープンになって、外のデッキにそのまま繋がっている。そして外には、大きな露天風呂があって、周囲に木製のベンチが幾つか並んでいた。

・肝心の先客は前部で6人いた。それぞれがカップルで来ており、一人でやってきたのは自分だけである。全員が年の頃は20歳台の後半から30歳台の後半位の様に見えた。年寄りは一人も居なかった。LA等の南カリフォルニアで良く見かける太った人達はここには一人も居ず、6人ともとても均整のとれた綺麗な体つきをしていたので、貧弱な体型の自分が少し恥ずかし感じだった。

・女性陣は3人とも、胸もおしりもとても綺麗だった。一人のドイツ人らしき女性は、特に胸の形が格好良かった。しかし、皆がうつ向いたまま、静かに考え事をしながら湯に浸かるのである。湯船の中は一段の階段のステップのようなものが置いてあって、そこに腰掛けると丁度膝から上が湯の上に出る感じだったので、少し恥ずかしかったが自分は殆ど半身浴で通した。すぐ隣に女性が入ってきたので、思い切って話しかけてみたが、話は長くは続かなかった。


・前を見て座っていると、時々、男女ともぶらぶら、ゆらゆら体を揺らしながら目の前を通り過ぎるのが何故か楽しい。自分は外のベンチに座って裸で日光浴をした。日差しが強く寒さは全く感じなかった。その内、二人の男女がワザワザ自分の目の前にあるベンチに並んで、大胆にも上を向いたまま足を開いた状態で横になってしまった。1mも離れていな所から、しかも真横から二人の寝姿を見守る感じである。まるで意識的に自分に見せつけているような気がしたので、彼らの全身をそれとなく、しかし注意深く観察してしまった。


Wilbur Hot Springを出てからは、ずっとなだらかな山の道を登ったり下ったりしながら、ワインディング道路を高速で走り抜けた。途中でFosters Freezeと書かれた、山のコテジの様な雰囲気のハンバーガーショップで昼食を取った。7.8ドルだった。


・さて、次に目指すはHarbin Hot Springであるが、これが思いの他、分かり難い所だった。何故かというと、ガイド・ブックに書いてある場所にカーナビをセットしたにも関わらず、そこについたら何も無かった。近くのレストランで温泉は何処と聞いても、そんなものは聞いたことが無いと云う感じで、温泉の事はその存在も誰も知らないようだった。目指す村は、ここから大分離れたところにあるらしかった。しかも、その内に雨が降ってきた。結局、その後にコレでもかというくらい急なカーブの続く山道を長い間、走り抜けたのだった。


・山の下に降りて街についた時は、既に4時を廻っていた。山を降りてきた所に大きな街があって、そこで人に道を尋ねると目的地である温泉は、ここではかなり有名であるようであった。スマートフォンを出してきて、地図を見ながら親切に行き方を教えてくれた。そして、温泉は別の道を少し山の中に登っていった所にあった。


Harbin Hot Springは素晴しく手入れの行き届いたリゾート地であった。入口にゲートが有って、そこに大きな小屋があった。長い髪の毛を首の後ろで束ねた若い男性が中にいたが、ここで入園料や駐車場を支払うのである。ここはメンバー制になっていて、メンバーは15ドルで入場できるという。しかし、自分の様な一見の客も30ドルを支払うと、一時的に会員になる事が出来て中に入る事が出来る。


・ゲートから駐車場までは数百mも走る感じであったが、駐車場についてビックリしたことは、大きな駐車スペースに既に車が100台位止まっていたことである。車を降りてからタオル等の必要最低限のものを持って風呂のあると云う場所に向けて、自然公園の様に造られた庭園内の坂道を登って行った。しばらく行くと、右前方に何棟かの感じの良い宿泊施設があって、日帰り客以外の多くの人達はここに泊ってゆっくりと温泉を楽しんでいるらしかった。


・そしてしばらく歩いて行くと、いきなり本当に不思議な光景に出会った。何かと云うと自分の目の前を、何も来ていない裸の女性が横切って歩いて行ったのだった。彼女は太ってはいなかったが、少しお腹のあたりが出ている様な気がした。気がついてみると、この寒い戸外に全くの裸の人達が、あちこちに何人も歩き廻っているのが見えた。直ぐ左前方には戸外にシャワー・コーナーがあって、そこで裸のままシャワーを浴びている人がいた。もちろん、ドアなどついて居ないので、目のやり場に困ってしまった。そのシャワー・スペースの横にシックな建物が有って、入口のドアには更衣室 (Dress Room) と書いてあったので、服を脱ぐ為にその中に入って行った。すると30畳位のスペースの部屋に、いきなり数十人の裸の男女がぎっしりと集まっている光景が目に入ったので、本当にビックリしてしまった。部屋の奥の壁面は一面鏡が張ってあり、その前で裸の女性が日本のラジオ体操の様な柔軟体操をしていた。その横では、同じく長い髪の毛をした女性が、ドライヤーで髪を乾かしていたのだが、手早くやれば良い物を何時までもダラダラと裸のままである。鏡には、女性の前の方が映っている。部屋の中央には、シンプルな背もたれの無いベンチがズラッと並んでいる。ベンチの横で着替えをしているのがいる、あるいは裸のままベンチに座りこんでいる人がいる等、それこそ空いているスペースを見つけることが困難な位大勢の人がいる。部屋の一方の片側には、キーのついたロッカーが並んでいて、その反対側は一面がガラス張りの窓がついて居る構造になっていた。何故か、肌の色の黒い人は一人もいなかった。


・自分は裸の集団にただ圧倒されてしまって、茫然としてベンチに座ったまま、目の前でこれから服を着ようとしていた若い女性を見ていた。彼女はこれからタイツを履こうとしていた。女性がタイツを素肌の上に直に履くのだということを自分は初めて知ったのだった。そして日本と同様に、アメリカでも多くの女性がタイツを履いている。中には堂々と、下半身の体のラインがそのまま見える様なタイツ姿のまま、街を歩いている女性もいたことを思い出した。多くの女性が、下着を履いていないと云う事に気がついた。


・次にGパンを履いている女性がどんな下着を着ているのか知りたいと思ったが、ここに来る人達は結構オシャレで、たまたま、その様な光景は見当たらなかった。タイツを履こうとしていた女性の横では、年を取った男性が服を脱いでいたが、自分はどういう訳か若い女性の姿ばかりに目が行ってしまう。多分、外国人が初めて日本の銭湯に行ったと時には、こんな感じのカルチャー・ショックを受けるのではないだろうか。


・ここは更衣室なのだから、服を脱いだり着たりするだけだと思っていたが、多くの人達はそうではなく、ここで裸のままずっと立ったり歩いたり座ったりしながら寛いでいて、なかなか部屋から出て行こうとしない。良く見ると、女性がその大切な部分にピアスをしている人がいた。ここでは、老いも若きも裸が最高のイデタチなのだ。皆、自分の裸を見せあって、開放感を味わっている様な気がした。


・自分はサッサと裸になって外に出た。妙な開放感と違和感を、同時に感じた。既に夕方だったので、外は寒かった。しかし温泉の設備と云えば、屋根もついて居ない戸外に、コンクリート製の約123m四方の大きな四角いプールのような風呂と、直径が7m位の丸い風呂が二つと合計3つの浴槽が有るだけである。どの風呂にも老若男女の大勢の人達が話もせずに静かに湯に浸かっている。50歳位のカップルが、裸で抱き合ったままピタッと体を寄せ合って全く動かないのが目に入った。


・まず、四角いプールに入ってみた。この寒い季節なのに、湯温がぬるくてとても寒く、あまり居心地が良くなかったが、寒いので一度入ると外に出る事が出来ない。温泉につきモノである暖かそうな湯気の立っていない。湯船の深さは1.6m位あって、身長が1.7mの自分でもやっと首を出している事が出来る位である。多くの人達は、プールの淵の処に静かに突っ立ってプールの中央を見つめているだけである。プール全体としては、肌を触れるのではないかと云う位、大勢の男女がひしめいている。湯は透明なのだが、深さが深いのでそして全員が経ったままなので、互いに顔しか見る事が出来ない。ここは風呂とはまったく違って、あまり居心地の良い処では無かった。


・次に丸い方の風呂に入って見た。ここは先のプールより更に湯温が低くて、しかも深さが浅いので、寒くて自分はとても中に入っている事が出来ない。しかし、不思議な事に、風呂から上がって裸のまま風呂の周囲に座っている人達や、横のコンクリートの床に寝ころんでいる人達がいた。自分は寒いので、慌てて手刷りに掛けたタオルを取りに行って、体を拭いてから、先程の更衣室に戻った。


・ここは暖房が効いていてとても温かであり、気持ちが良かった。自分は再び風呂に入るために外に出ることは諦めて、ここで自分も全くの裸のまま周囲の裸の人種をじっくりと観察することにした。入れ墨をした男性や、相当年齢がいっていると思われる女性も何人かいた。そしてそれ以上に、若い女性も大勢いた。ただし、ここでは会話はしてはいけない事になっているので、とても静かなそして何となく楽しい所だと思った。ここは温泉場というよりも、裸になることで、ストレスを解放するヌーディスト村と云った方が良い処であると思った。


・今日の宿泊場所は、さっきの温泉場に程近い処にある大きな街であるSanta Rosaに決めた。いつもの様に幾つかの部屋を確認した結果、中級クラスのモーテル・チェーンである“Traveloge” に決めた。料金は57.5ドルだった。本当に大きな市街地の真ん中付近に合って、近くにはステープルやビッグバイ等の何処ででも見かける大きなショッピング・センターが、歩いて行ける距離にあるとても便利な所だった。店の中を覗いてみたが、ここでも売っている物は、全く代わり映えのしない同じ様なものばかりであった。どうしてアメリカでは、何処へ行っても同じものしか売って居ないのか、同じものしか食べる事が出来ないのか、とても不思議だった。


・夕食はショッピング・センターの横に合った、これもどこででも見かけるフランチャイズ・レストランである「パンダ・イクスプレス」で、テイク・アウトした。料金が6.17ドルで買った料理をつまみにして、自分の部屋でビールを飲みながら、そしてデジカメで撮った写真をPCで整理しながら食べた。





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