・朝、起き出してからいつものように宿の近くを散歩してから、昨日スーパー・マーケットで買っておいた食料を食べる。部屋が一階でロビーの近くだったのでコーヒーはフロント横の朝食エリアまで取りに行った。宿に備え付けの甘ったるいパンは食べず、お決まりのシリアル&ミルクとコーヒーを紙のカップに入れて部屋に戻る。そして、地図を見ながらバナナやトマトやリンゴを食べた。
・さて今日はサンフランシスコの北のエリアに広がる、温泉地帯まで一気に南下する予定だった。このエリアは、ナパやソノマというカリフォルニア・ワインで有名なエリアの近くであるが、実は知る人ぞ知る温泉地帯が広がっているのである。その多くは、スパや泥んこ美容等の健康を目的にやってくる観光客が相手の施設らしいが、この中に異色の存在である温泉があるということだった。今回、アメリカまで温泉探しを一つのテーマとしてやってくる気になったのは、あるガイド・ブックを読んだからであった。それによるとこれらの温泉では、基本的に服は着用しない方針という。そして、湯に入るだけではなく、座禅やチームで行う幾つかの修行コースのようなものがあるという。自分は座禅や修行と温泉を結びつける必要性は全く感じなかったが、客同士で裸の付き合いができる露天風呂の温泉施設には大いに興味をひかれた。
・モーテルを出ると直ぐにR5に乗って、そして走り続けた。2時間くらい経ってから気がつくと左前方に雪山が見えてきた。道路脇に車を止めて地図を確認すると、どうやらMt.Shesta(4317m)という山のようであった。他に高い山が無く、そこだけ真っ白な雪を抱いている山を見るのは本当に清々しかった。この辺りに住んでいる人は、毎日会の山を見て育った筈であるが、キットそのことで特別な感情や思いを持って大人になった筈である。それがどんな影響を及ぼすのかは分からないが、アメリカにはそのようなとてつもない場所が多くある。この山だって、一般的にはそれ程有名ではないと思うが、それでもこの追力の大きさは何だろう。確かにアメリカの自然はスケールが大きいと感じた。
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・さて、夕食を何処で食べるかが問題である。何しろモーテルを探す時にチョット車で走った感じでは、このモーテル街には繁華街どころかお店やバー等が見当たらない。気の利いたレストランなど全く有りそうもなかった。それでもモーテルで餓死する訳にも行かないので、出かけて見ることにした。歩いて店を探すことは諦めて、車でレストランのようなものがなにかないかと探しに出かけることにした。そして分かった事は、この街には日本で良く見かけるような飲み屋の類が一軒もない。八百屋も肉屋も電気屋もない。もちろんパチンコ店もない。音を立てるような施設は皆無であり、とても静かな所であった。大体、明かりが付いている所が殆ど無いのである。この街に住んでいる人達は、一体全体、どうやって暮らしているのか。何処でどのようにしてストレスを発散させるのだろうか? 都会に住んでいる日本人がここに住むとしたら、気が遠くなる様な退屈さを味わうに違いない。いや、もしかしたら大分離れた別の所に、旧市街地が有るのかも知れない。
・結局、この近くではホテル以外には目ぼしい店がなかったが、大きなスーパー・マーケットが一軒あった。中には行ってみると、ガランとした殺風景な広さだけは何処にも負けないが、売っているものはポテトチップスの袋や、ミネラル・ウォーターや缶詰等の日持ちしそうなものばかりで有る。この広い店の中に客が数人しか居なかったが、しかし、惣菜売り場に行くと、そのまま持ち帰って食べることが出来るような、いろいろな種類の食品が想像以上に沢山あった。それに果物やこの地域で取れたのかも知れない様な野菜が積まれていた。今夜のディナーは、ここで仕入れよう。
・惣菜を物色していると、威勢の良いおばちゃんが声をかけてきた。売り場に出ていなくても、作ってやるよというので、ポテトフライを頼んだら、大きな袋から冷凍の刻んであるポテトを出してきて油であげてくれた。いつもながら、その他には、鳥のモモ肉を焼いたものと、重さで売っている、何種類かのサラダをそれぞれ少しずつ、同じプラスティック容器に混ぜていれてもらったものを買った。更に具沢山のスープ、それに何種類かの果物、ハイネッケン・ビールを半ダース買った。値段は忘れてしまったが、20ドル位だったように思う。その内、半分はビール代であるが。
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